水素水研究の歴史
水素分子(H2)が含まれた水素水の効果や役割が本格的に注目されて、まだ10年たっていません。
2007年5月に日本医科大学大学院・細胞生物学の太田成男教授らによって、アメリカの科学雑誌「Nature Medicine」にて発表されました。
この論文では、「強い酸化力で細胞や遺伝子本体であるDNAにダメージを与える活性酸素を、水素ガスで効率的に除去できることを動物実験で突き止めた」という結果が明かされました。
その後世界中で水素水の研究が盛んにおこなわれるようになり、医学的にもその効果が認められてきています。
しかしまだ10年も経っていないので、医学分野では様々な研究、臨床は実証途上で、はっきりと解明されていません。
世間一般では、太田教授説の水素分子論に基づく「水素水」が多くのマスコミや雑誌に取り上げられ、現在「水素水ブーム」が起こっています。
その反面「水素水」の効用を認めない、信じない人々も多くいらっしゃいます。
水素水はまだ民間療法の域でとらえられてもいます。
私は実際に毎日水素水を飲みながら、体に良い変化を感じているので、単なる商法ではなく、根拠のある確かなものであると確信して、こちらのサイトも作成しています。
太田教授以前の水素水の研究
1800年にイギリス人のニコルソンとカーライルによって、水を電気分解することで人工的に生成される電解水素水の原理は、発見されています。
しかし水を電気分解してつくる“電解還元水”の技術は一般的にはなりませんでした。
それから150年以上経ち、1958年日本で、「飲み水」として水を電気分解する電解整水器が誕生しました。
電気治療器の研究者であった諏訪方季氏が、水の電気分解装置「シンノオル液製造器」を考案したのです。
その後市場に「電解陰極水」が登場し、その評判が口コミで広まっていきました。
1965年には厚生省によって「電解陰極水(アルカリイオン水)には整腸効果が認められる」という内容の通達が出されました。
その後、医学的な研究はされないまま、その評判だけが口コミで広まって販売されたものや、医学的学術的に研究をしながら商品を展開していったメーカーなど、様々です。
1997年、九州大学白畑實隆教授の研究から「水素水」という言葉が生まれました。
白畑教授は、「体内の活性酸素の解消には活性水素が有効である」との自説を唱え、「水素原子を含んだ水の健康維持効果」を広めていきました。
この時、この水素を多く含んだ水を「水素豊富水」「活性水素水」と称したことから「水素水」という言葉が使われるようになり、活性水素水商法が盛んになっていきました。
白畑教授の研究は、医学界で批判され、ねつ造とか指摘される中で、十分に反論、訂正されないまま現在に至っています。
白畑教授説にのっとって販売されていた「活性水素水商法」全てがインチキというわけではありません。
まだ医学的に解明されていないのに、効果効用をたからかに謳って水商法を展開したことがおかしいのです。
1958年に「飲み水」として水を電気分解する電解整水器が誕生してから、電解整水器の市場は歴史があります。
大手メーカーも参入して様々な商品を展開してきています。
太田成男教授の学会発表は2007年なので、その発表のずっと以前からそれらの電解整水器市場はありました。
「アルカリイオン水の整水器」の一部メーカーが「活性水素」を謳ってブームとなり悪徳商法も増えて、悪いイメージがありますが、堅実なメーカーも沢山ありました。
電解還元整水器のある専業メーカーは、白畑教授との共同研究によって電解還元水による健康効果の理論的解明を進め、現在も電解水素水整水器は業界売上高シェアナンバーワンです。
ここ数年水素水がブームになってきたので、「アルカリイオン整水器」を「水素水生成器」と言い換えたり、「H2」という名称を入れたりして販売しています。
電気分解によって分子状の水素は発生していますが、太田教授の高濃度で分子状水素が溶存している水素水とは、流れは異なると言えます。
水素水(活性水素水を含む)は、東北大学、山梨大学、九州大学でパナソニック電工などと共同研究され、商品開発されています。
太田教授の「水素分子」論とは異なるものですが、パナソニックの還元水素水生成器をはじめ様々なメーカーもアルカリイオン整水器、電解整水器を販売しています。
そういう商品群と、太田成男教授説にのっとる水素水サーバーや水素水商品群は別のものでと捉えた方がいいです。
ただ現在の「水素水ブーム」の中で、それまで培ってきた「アルカリイオン水」が、「○○水素水」と強調され、別々の商品群なのに、「水素水」という言葉で、混乱しています。
二つは次元が違うものなので、他次元のものとして存在してくれた方が、消費者にはわかりやすいです。
「電解整水器」の流れの上にある水素水は、アルカリ性です。
太田成男教授の分子状水素が含まれている水素水は、中性です。
本来アルカリイオン整水器は水素水を飲むためではなく、アルカリ水を飲むための機械でした。
水素水ブームの中で水素も生成されているので、水素水も強調されるようになりました。
アルカリイオン水は「整水器」、水素水を飲む目的のものは「水素生成器」と呼ばれています。
メーカー自体がこの二つのことを混同している所も多くあります。
さらに「活性水素」という言葉で、それまでのアルカリ整水器市場が混乱した後、2007年に太田教授が論文を発表して水素分子説の「水素水」がブームとなり、太田教授は線引きを主張されています。
しかし商品側では混同しているので、消費者側も混同してしまうのは、仕方ありません。
そんな中、雑誌、新聞、テレビなどのメディアは太田教授に取材し、分子状の水素水の解説やコメントを掲げながら特集などを組んでいます。
中性の水素水を太田教授の分子説の水素水と考えたら良いと思います。
太田教授の理論も医学界全般に認められているものではありません。
「水素」は、なかなか科学的に解明するというのは難しい分野のようです。
臨床的には驚くほどの効果効用があり、研究すればするほど結果が出ているそうですが、はっきりとした解明には今一歩及んでおらず、その解明が待たれている状況です。
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奇跡の水の正体は水素水?
世界中に、飲むだけで病気が治ると言われる「奇跡の水」がありますが、それが水素水だという説があります。
・フランスピレネー山脈の麓にあるルルドの泉
・メキシコはトラコテの町から湧き出るトラコテの水
・ドイツの洞窟から湧き出るノルデナウの水 など
これらの水を調べた結果、すべての水に共通していたのは、水素が沢山含まれていたとのことです。
水素は非常に分子が小さく、運搬の衝撃などで簡単に気化してしまうため、その場で汲んで飲まなければなりません。
しかし科学的に解明されたものではありません!
九州大学の白畑教授が、1996年(平成8年)6月にドイツノルデナウを訪問した後、電解還元水ばかりでなく“日田天領水”、“ノルデナウの水”、“トラコテの水”など、自然界に存在する“奇跡の水”の分析研究をして、ドイツ ガーデニック医学博士との数々の研究成果を発表しています。「自然界に存在する“奇跡の水”からも“活性水素”が豊富に検出されたこと」、
「それらの“奇跡の水”が豊富なミネラルを含んでいたこと」、また、「ミネラルの含有濃度に依存して活性水素反応が強まること」などが解明できたとしたことから、従来の“活性水素”理論をさらに発展させ、「“電解還元水”や“奇跡の水”の中に存在する金属ナノコロイド(ミネラルクラスター)が、“活性水素”のキャリヤーとして機能する。」との新たな仮説を提唱されました
活性水素(原子状水素)はいったん発生しても安定せず、瞬時にして消えるため、学会では「“水”という概念の中に“活性水素(原子状水素)”が存在する。」という理論に対する反論があり、白畑教授の研究は尻すぼみな形で終わっています。
奇跡の水の正体は水素水なのかどうか、原子状の水素(H)が含まれているということですが、その真偽のほどは私にはわかりません。
太田教授たちが医学的利用を研究している水素は、水素ガスとして知られる分子状の水素(H2)です。
この分子状水素が、一番の悪玉活性酸素である『ヒドロキシルラジカル』を消す抗酸化作用が、健康や美容、医療の現場で注目されています。
水素原子説と水素分子説の違いで、元をただせば同じような気もしますが、深い知識も持ち合わせない私は、「奇跡の水の正体は水素水?」と疑問符を残したまま『「水素水」の力はスゴイ!』と捉えておこうと思います。
太田教授は、白畑教授説の「活性水素水」は、水素ガス・水素分子(H2)を溶解させたご自分の提唱される「水素水」とは区別されると、はっきりと線引きをされています。